新たな問題「クレジットカードショッピング枠『現金化』」

2006年1月13日の最高裁判決により、サラ金商工ローンなどが利息制限法で定められた以上の高金利を取ってきたことが事実上否定されることになり、いわゆる「グレーゾーン金利」の温床となっていた貸金業規制法についても、同年秋の臨時国会において全面改正されました。

改正により、法律の名前も貸金業規制法から「貸金業法」と改められることになりました。改正貸金業法は、2010年6月から完全施行されました。



改正貸金業法では、貸し付けの総量規制が行われることになりました。

これは、借り主の返済能力を大きく超えた過剰貸付を防止するためのものです。

これにより、原則として年収の3分の1を超える金額の貸し付けはできなくなりました。



これらの規制により、借入総額が年収の3分の1をすでに上回っている場合や、専業主婦が夫に内緒で借り入れを行っていた場合など、サラ金での新規借入や借入額の増額ができなくなるケースが出てきています。



そもそも、そういった方々は、本来の返済能力を超えた過剰な貸し付けを受けており、多重債務者に該当する人も少なくありません。ですから、根本的には債務整理などの法的な解決が求められています。



しかしながら、そこに目を付けた悪質な業者が出てきました。



それがクレジットカードのショッピング枠「現金化」です。



多重債務者の多くは、クレジットカードのキャッシング枠については、すでにいっぱいになるまで使ってしまっていますが、ショッピング枠についてはまだ余裕を残しています。



そのショッピング枠を「現金化」「買い取り」するという宣伝広告が、インターネット上を中心に数多くなされています。しかし、ショッピング枠の「現金化」には非常に大きな問題があります。



ショッピング枠を「現金化」する業者のほとんどは、クレジットカードのショッピング枠で買い物をさせ、それを換金する形をとっています。換金の際には、手数料などの名目で数%〜数十%を差し引かれますが、これを年利に直して計算すると、ヤミ金なみの超高金利になることも少なくありません。



また、インターネットを通じた「現金化」の場合、キャッシュバックのお金が送金されないなどといったトラブルも見られます。



そして何より、換金目的でのクレジットカードの使用はクレジットカードの規約違反であり、販売店やカード会社などとの関係では詐欺にあたる行為になりますので、トラブルになっても解決がとても難しくなってしまっています。



年収の3分の1を超える借り入れを行っていたり、クレジットカードのキャッシング枠がいっぱいになるまで借り入れをしてしまうような状況の場合、債務整理や個人再生などといった法的な解決が求められています。



その場しのぎでショッピング枠を「現金化」しても、問題を先送りするだけではなく、問題をさらに悪化させ、解決を困難にしてしまいます。



借金問題を根本的に解決するためにも、法律相談をご利用ください。



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